島の畑の探し方。耕作放棄地の開墾とレモンの定植。
大三島で就農することを決めたのが1年前。島の有機農家さんの下で研修を受けながら畑を探した。50年前は島のほとんどの土地が柑橘畑で山の上まで開墾されていたが、今となってはそのほとんどが耕作放棄地になっている。思うに島の農業は日本の陸地部の農業の少し先を行っていて、担い手を求めていたのは一、二世代前。畑を手伝っていた子供達は島を出て土から離れ、畑の担い手がおらず、畑は次第に山に還り、今は条件の良いわずかな畑だけが残っている。
原付で島を周り、ここはという場所(畑というより山林)を見つけては役所で地籍図、土地台帳を出してもらい持ち主を調べる。調べてみてわかったのは持ち主のほとんどが島から出ている。そして出た後で亡くなり相続がされていない土地も多い。土地台帳には登録した時点の住所しか載っていないので電話番号も分からない。名前を頼りに地元の方々に手あたり次第聞いてみて相続人の連絡先が分かれば良いが誰も知らないということも多い。
しかしそんな島での畑探しは悪いことばかりではなく。まず地元のおじいちゃん、おばあちゃん達のサポートがすごい。知り合いに電話をかけまくって聞いてくれるばかりか、お墓参りに来た相続人の親戚をつかまえて連絡先を聞いてくれたりもする。そして一度連絡が取れたら、畑の持ち主さん達も農業が盛んだった時代を懐かしみ、就農を応援してくれ、快く畑を貸してくれる。Give Give Giveの連続で与えられるばかり、世の中の基本だと思っていたGive and Takeの概念が崩れ落ちる。
結局1年間で40aほどの農地を貸してもらい、夫婦で開墾し、この春にレモンの苗木を植えることができた。サポートしてくれた皆さんと開墾を頑張ってくれた嫁に感謝。
2023-09-27 by
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