1匹のミツバチが一生のうちに集められるハチミツはたったのティースプーン1杯分
5月27日、いよいよ今年1回目の採蜜。前日に糖度をチェックしたところおおよそ81~84%(日本では78%以上、国際的には80%以上が基準)で糖度はばっちり。当日、早朝薄暗い中ミツバチが朝一の蜜を持って帰ってくる前に蜜枠を回収する(新しい蜜が入ると糖度が下がってしまうため)。師匠お手製の温熱ナイフで蜜蓋を撫で切り、遠心採蜜器でハチミツを絞る。
大三島では5月~6月に3回ハチミツを絞る。1回目はミカン蜜、2回目はミカン蜜と百花蜜の混合で、3回目はアカメガシワがメインの百花蜜。今回は1回目の採蜜なのでほぼミカン蜜。1匹のミツバチが一生のうちに集めるハチミツは約4gでティースプーン1杯分。働き者のミツバチが集めたハチミツのお裾分けを有難く頂く。
(採蜜器にかける前に蜜蓋を切り取る)
(師匠お手製の温熱ナイフ、熱源はスチーム。スチーム源はLPGボンベを改造)
(今年のハチミツも美味しそう!)
早春から徐々に蜂数が増えて5月にピークを迎えるが、5月の中旬に蜂数がぐっと減る。その理由は柑橘農家が使う訪花害虫を殺す農薬。ハナムグリなどが花に来ると果皮にキズが付くのでそれを予防するために農薬を撒く。植物たちは花粉を虫たちに運んで貰うために色とりどりの花を咲かせ、香しい匂いで誘い、蜜でおもてなしをして、虫たちに来てもらい受粉のお手伝いをしてもらう。遥か昔から連綿と続く生き物たちの関係性。
人間は果樹の皮に傷がついて見た目が悪くなる(味は変わらない)ことで植物たちがおもてなしをして来てもらっている虫たちを訪花害虫と呼び殺す。もちろんその農薬はミツバチへも有効でこの時期巣箱の前には沢山のミツバチの死骸が並ぶ。
ミツバチは世界作物の1/3以上の受粉を担っていると言われており、ミツバチをはじめとした花粉媒介者がいなくなれば我々の日常を支える食べ物も手に入らなくなる。
万物の霊長たる聡明な人類は一体どこに向かっているのだろうか。
Kura-Kura農園
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